【韓国軍隊:兵長時代】3. 軍隊にいると馬鹿になる?

2003年 2月 25日

「今日は何をすればいいかな?本を一冊読もうかな。無駄な空想は止めることにした。電話も手紙も・・・。何意味も成さない行動をして頭がいっぱいになるだけだ。社会とは断絶されている軍隊という所で自分のこのような行動が、ますます自分を卑屈でみすぼらしくすることに気が付いた。」

 

2003年 4月 26日

「楽しい土曜日、燃え上がるような夜・・・。俺は弾薬庫で警戒勤務中だ。また巡ってきた土曜日。みんな週末だけを待ち焦がれて一週間の日課を耐えるのだが、いざ週末になると特にやることもなく、寝るかテレビを見るかで時間を潰す。なのになぜそこまで週末を待ち焦がれているのだろう・・・ とにかく軍人にとって、週末とはなくてはならない休息と余暇が満喫できる黄金のような日である。」

 

2003年 5月 3日

「土曜の午後。外は連休ムードでウキウキしているだろうな。俺は何をすればいいんだろうか?特にやることもないのに日差しが眩しすぎて悲しく感じる。」

 

2003年 5月 6日

「今日から個人的に重要なことを始めた。後輩にあげる戦闘服と帽子と防寒物品を丁寧にまとめて倉庫にしまっておいた。あと何より、ずっと前から考えてきたマイテーブル制作に電撃着手した。設計図を描き、部隊中をくまなく探し、使えそうな木材も集めておいた。今日は大切な時間を有意義に使おうという自分の決心をちゃんと守れたようで嬉しい。」

 

2003年 9月 13日

「秋夕連休が終わり、久しぶりに家に電話。そこでされた父の話に驚き、しばらく茫然としていた。家族らは昨日ジファン兄さんの告別式を終え、まだ叔父さんの家にいるという。。。ジファン兄さんが秋夕の前日に交通事故で亡くなったということだった。軍隊にいると馬鹿になるという話、だからなのかと思った。家族、一家親戚が喪家なのに葬式が終わるまで知らなかったなんて・・・。電話で言われても実感もないし、信じられない。除隊後、凛とした男になって兄さんに会いに行こうと思っていたのに、もう会うことさえできないのか・・・。」

 

2年2ヶ月間の学業の空白、命令に従い、指示通りに動かなければならない軍隊。「軍隊は青春の墓だ」「軍隊に行くと馬鹿になって戻ってくる」という話は入隊前からよく知っていた。特に「大将より上、雲の上の存在」と呼ばれる兵長になると、一日中やることがなく、どうしようもできずに除隊日だけを待ち焦がれる日々だった。今でもあまり変わらないと思うが、兵長になると、日課中は倉庫に閉じこもって寝るか、タバコを吸うか、下ネタで燃えるかで、週末はテレビを見たり、サッカーをしたり、筋トレをするのが兵長の日常だった。

当時、僕の部隊の兵長らの間では「バラの折り紙」と薬莢で指輪を作ることが大流行だった。兵長らは、除隊後できる可愛い彼女を想像しながら、バラの折り紙と指輪を作り、胸を膨らませていた。何より、待っても待ってもなかなか除隊日が近づかず、精神的に不安定だった兵長にとって、バラの折り紙と指輪作りは心の健康にとってもいいことだった。僕も除隊後、やっとできた彼女に、軍隊で作って持ち帰った大型のバラの折り紙と指輪をプレゼントし、涙を流させたことがある。

「軍隊にいると馬鹿になる」という話をしみじみと思い知らされた事件があった。服務中、仲の良かった従兄弟が亡くなったことだった。親は僕がショックを受けて軍生活に支障が生じることを心配し、わざわざ教えてくれず、葬式が終わるまで僕はその事実を知らずにいた。葬式に出席し、きちんとお別れを告げることができなかった悔しさ、凛とした男になって再会することを心待ちしていたのにできなくなったもどかしさは、一生晴らすことができずに、今でも胸に残っている。

 

*兵長になったらやりたいことを一等兵時代から書いていた。日本語勉強、音楽鑑賞、サッカー練習、筋トレ、折り紙・・・兵長になった僕はしっかり守り、充実した兵長時代を過ごした。

 

時間を無駄にしない為、兵長になった僕はまず、自分だけの机を作り、家から日本語、英語の教科書を送ってもらった。それには、除隊後学校に戻ると、2年2ヶ月間の空白で授業についていくことができず、学校をまた休んだという話から、自分もそうなるかもしれないという危機感を抱いていたからだった。日課中は本を読んだり、単語を覚えたり、日課後も机で勉強に励む僕のことを、仕官らは口を揃えて褒めてくれたことを覚えている。それでも復学後は授業が難しくて奮闘していた。

 

最近は軍隊生活が無駄な時間にならないよう、国が様々な制度を設けてサポートをしているという・・・。

部隊では兵士が願えば、夜12時まで自習するように配慮するとか、資格を取った兵士に休暇を与えるとか、国家試験を受ける場合はその費用を割引してあげる等のサポートをしているのだ。こういった制度的なサポートに後押しされ、最近の部隊内では試験を受けたり、資格を取ることが流行っているそうだ。ワードプロセッサー、情報処理機能、インターネット情報管理、ネットワーク管理など直接就職に役立つ資格から、TOEIC、漢字、日本語、中国語などの外国語試験を受けるなど、自己研鑽に励んでいるという・・・。

 

もう軍隊は「青春の墓」ではなく「未来の成功のための機会の場」として、身体的にも精神的にも一層強くなれる一生のチャンスになっているわけだ。

 

*これが当時1ヶ月間かけて完成させたバラの折り紙!僕は除隊してから2年後、やっと彼女ができてプレゼントすることができた。