韓国映画600作鑑賞!韓国映画ファンがおすすめする「トガニ(도가니)」

皆さん、こんにちは。
ブログの映画コーナーを担当しています、はじめです。先日、韓国映画鑑賞が600作目に突入しました。こんなに多くの韓国映画を見続けていると、過去に鑑賞した名作の内容を忘れそうになります。このブログを投稿する前に、もう一度鑑賞してから文章を綴っています。初めて見たときと同じ感動や、違った角度の理解、「この作品にこの人も出演していたのか!」という新たな発見が必ずあります。お気に入りの作品は、しばらく経ってからじっくり見るのも良いですね。

さて、今回紹介するのは、ドラマ「コーヒープリンス1号店」で日本人ファンが急増し、兵役を経てドラマ「トッケビ」が大ヒット。日本でも高い人気を誇る人気俳優コン・ユの主演作です。彼にとって、俳優として大きな転機となった実話基にした社会派作品『トガニ 幼き瞳の告発』をご紹介します。

この作品の舞台は、聴覚障害を持った児童が通う全寮制のろう学校。ろう学校の生徒に対する校長、教師らによる性的虐待、暴力が日常化していた事件を題材にした2009年発行の小説が原作です。
2008年1月から2年間の兵役期間中、コン・ユはこの小説に出会い、その内容が実話であることを知り強い怒りと関心を抱きます。兵役から除隊後、自ら映画化を呼びかけ実現したこの作品。残虐な出来事に胸が痛む一方、人気俳優が韓国国内に問題提起を行い、障害者等に関する法の改正に至る事態となり、韓国で高い関心を集めました。芸能人が、そして映画の力が世の中を変える力となったのです。いったいどんな作品なのか、紹介していきます。

映画情報

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タイトル:トガニ(原題:トガニ 도가니)※トガニとは、金属やガラスを入れ、溶かして混ぜ合わせる「るつぼ」の意
公開:2011年
監督:ファン・ドンヒョク
主演:コン・ユ
その他出演:チョン・ユミ、キム・ヒョンス、ぺク・スンファン、チャン・グァン ほか

あらすじ

濃い霧が立ち込めることで知られる架空の街・ムジン。この街に佇む全寮制のろう学校は、街の権力者であり名士として知られる一族が経営するものだった。この学校にソウルから美術教師として赴任してきた主人公イノ(コン・ユ)。イノは、長年画家として芽が出ず、美術関連の仕事にもなかなか就けず、ソウルに幼い娘を残したまま生活のため単身この街へやってきた。着任早々、校内に漂う雰囲気に違和感を抱くイノ。それは生徒たちが聴覚障害を持つからなのか。

しかし、ある日イノは放課後、ある生徒が虐待を受ける現場に遭遇し衝撃を受ける。その後、次々と浮かび上がった校長、教師による生徒への虐待。さらには性的虐待の事実までも。イノは、闇を抱えた学校の現実と、自身の保身の間で苦悩する。しかし、人権保護団体の職員ユジン(チョン・ユミ)と手を取り合い、子どもたちを守るため、裁判を起こし動き出す。しかし、被害者の子どもたちをも巻き込むこの裁判は世間に大きな影響を与え、イノは自身の日常をも変えるほどの大きな渦に巻き込まれていく。「正義」とは何か、人々を守り悪を裁く「法」とは何か。見る者に問いかける一作です。

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ここが見所

この作品は脚色はされているものの実話であることが衝撃です。作中にも残酷な虐待のシーンが出てきます。子どもたちが耳が不自由であること、会話ができないことを逆手に、教師たちが虐待を行う姿にはただただ胸が痛むばかりです。こうした厳しいテーマを主軸に、本作はエンタメ作品として「真実は一体なにか」を主人公が追いかけるヒューマンサスペンス調で進んでいきます。

中盤からは法廷シーンが多用され、イノら原告側の悲痛な思いと、権力を盾に罰をかいくぐろうとする校長ら被告側との攻防戦が繰り広げられます。本作の非常に優れた見所は、障害者や弱者をめぐる韓国の厳しい現実と境遇を描きながらも、サスペンス仕立てにすることで、見る者を惹きつけ、多くの人が身近な問題として考えるようなきっかけとなっている点です。

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兵役以前はその長身と甘いマスクを活かし、広告モデルと恋愛・コメディ作品を主戦場としていたコン・ユ。兵役後、本作で彼が俳優としてワンステップを上がった作品であったことは間違いないでしょう。この映画が大ヒットしたことによって、裁判が終了していたこの事件の再捜査を求める世論が高まり、影響力のあるメディアも大々的にこの事件を報道しました。

その結果、被告人は懲役8年の罪が確定、さらに映画の影響を受けて、韓国政府は障害を持つ女性への虐待に対する罰則の厳罰化や障害者や13歳未満への虐待に対する公訴時効の撤廃を定めた法を制定しました。この法律は、映画にちなんで『トガニ法』と呼ばれています。

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ちなみに、主人公コン・ユと、人権保護団体の職員チョン・ユミの二人は、それ以降も『新感染 ファイナルエクスプレス』で再共演。この作品でもコン・ユが主演を努め、チョン・ユミがキーパーソンを努めます。さらに、2016年韓国で発売された大ヒットなった小説「82年生まれ、キム・ジヨン」の実写映画版でついに夫婦を演じ再々共演を果たしました。縁のある二人、今後の共演にも期待してしまいます。

この作品が問いかけるもの

私は韓国映画鑑賞を通し、韓国社会は、日本よりも権力が物を言う社会だと想像しています。その一方、そういった国であるからこそ、韓国の人々はきちんと社会に対し、国に対し、自身の権利を主張し立ち向かう強さも持ち合わせているんだろうなと想像しています。この作品でコン・ユが演じたイノは、人生に行き詰まる冴えない男性です。お金も地位も持っておらず、亡き妻や小さな娘よりも自身の夢を優先してきた男です。彼が地方のろう学校で直面した現実は、彼自身にとっても目を背けることのできない試練でした。

人として、父親として、教師として、無くしてはいけないもの、逃げてはいけないことを意識したからです。韓国映画は、こうした社会的弱者の厳しい現実を描いた作品、手に汗を握る上質な法廷ドラマも多くあります。その中でも本作『トガニ』は、痛みを持って多くのことを人々に問いかける衝撃的で意義のある一作です。
コン・ユの戸惑いながらも、つらい現実に立ち向かう姿、ぜひ見て欲しい一作です。共感を得ると共に、もし、私やあなたが彼の立場なら、どうするでしょうか。彼の手話にも注目ですよ。

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予告編

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