【韓国軍隊 Part1-6】ウンチの伝説

2014年1年間、文芸雑誌「文芸思潮」に連載した「現代徴兵の青春―韓国の軍隊、その793日間の記録―」。ブログでの連載を6月以降、すっかり忘れていましたが、今日から再開します。

誰よりも波乱万丈だった僕のリアルな軍隊の話をさらけ出します。

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2002年 2月 7日

「昨夜は俺の人生の中で一番過酷な夜だった。3時に勤務に出かけたらすぐにお腹が痛くなり・・・一時間がそんなに長かったのか生まれて初めて思い知った。軍人精神で歯を食いしばって我慢して我慢したが、結局・・・」

みなさんは人間が世の中で一番我慢しづらいことは何だと思いるか?僕はウンチを我慢することだと思っている。

ウンチをさせない苦悶があれば多分世界で一番過酷でつらい苦悶だろう。(笑)
僕の人生で一番過酷だった1時間、1時間がどれほど長い時間なのかを思い知らせてくれたのは軍隊だった。
訓練所を卒業し、部隊に配属されわずかだった2002年の春、何もかもが慣れていなくて常に緊張し、毎日がつらかった一等兵時代だった。

「おまえ、不寝番の勤務だ。起きろ!」

ある夜、先輩の怖い声に目が覚めた。軍人には宿命のような不寝番の勤務(夜間警戒勤務)の時間だったのだ。具合が悪くて眠くてうとうと、ぐずぐずしてたら勤務が終って誰もいない倉庫にそーと引っ張られ殴られることになる。怠け者で一度寝付くと、なかなか目が覚めなかった僕もロボットのように体を起こし、勤務の準備をした。さっさと準備して一緒に勤務に出かける(2人1組)先輩の服と銃を準備しなければならない。

夜3時、みんなが眠りについている安らかなこの時間、軍隊生活を始めたばかりの二等兵にとって不寝番勤務の時間は一番落ち着いて安らかな時間だった。同時に4人と付き合っていたこと、3人でエッチしたこと、など・・・

嘘に決まっている先輩の話に相槌を打たなければならないし、「女の子を紹介しろ」というしつこい頼みに苦しめられつらかったりもするが、空いっぱいきらめく星を見ながら、彼女との夢のようだった旅行のこと、家族、友達のことを思い出し、健康に除隊して素敵な男になるぞ!と気持ちを引き締めた。

しかし、あの夜は勤務に出かけた時からお腹の調子がよくなかった。寝る前に食べたラーメンがお腹を壊したのだろうか?「これトイレ行かなきゃやばいぞ!」と出かけた時から感じたが、スケジュール通りに先輩が言うとおりに動かなければいけない赤ちゃんの二等兵にそれが言えるわけがなかった。そして、わずか10分でついに体は限界に・・・ウンチの中でももっとも我慢しづらいという「下痢」だったのた。

勤務が終るまではあと50分、もう我慢できない、諦めたいと感じるたびに「何があっても哨兵は勤務地を離脱してはいけない」という「哨兵勤務守則1.」が思い浮かび、私は静かにうなるだけだった。そのつらさは誰もが一度はうんちを我慢したことがあると思うから、よく知っているだろう。

あと30分、20分、10分・・・ 1分1秒がそこまで長い時間なのか全く知らなかった。入隊して身をもって学んだ強い体力と精神力、やればできる!という軍人精神で僕は何とか漏らさずに我慢していた。

3時55分、遠くから交代者が出てくる音が聞こえてきた。あと5分で俺はこの地獄から抜け出すことができる・・・そう思っていた。し・か・し やっと交代し、部隊に帰っていた僕の足は思うように動かなかった。ぶるぶるする足でよろけていた僕は石に躓いて結局転んでしまった。

「おい!パク二等兵、大丈夫か?お前さっきから顔色悪いな・・・で、なんか匂うな。なんだこの匂いは!?」 躓いて転んだ瞬間、よくも我慢していたお尻の力がつい一瞬で抜けてしまい・・・その後はこれを読む人の想像にお任せする。

次の日、一緒に勤務を勤めたキム兵長曰く・・・「お前、馬鹿じゃないの?俺に言ってくれたらよかったじゃねか!トイレくらいは本部に報告して行ってきてもいいよ」と・・・

融通がきかず、慣れない部隊と怖い先輩の下で常にいじけていた二等兵時代の笑えないエピソードだった。いつでも綺麗なトイレが使えて、何より夜起きることなくぐっすり寝られるということだけでも僕らはどれだけ幸せなのだろうか?

時間は水のように流れ、僕も兵長になった。兵長になっても夜分の不寝番勤務を果たさなければいけないのは変わることなく、不寝番勤務に出かけたある夜のことだった。「二等兵時代にトイレ行きたいと言えなくてうんち漏らしたもんな」とくすくす笑いながら勤務地だった望楼の2階のドアを開けた瞬間、(後輩は1階)「アッ!!!!!!!」と、僕は悲鳴を上げてしまった。そこにはなんと垂らしたてのウンチに湯気がもくもくと上がっていたのだ。

そのウンチは誰のものなのか・・・ 僕の前のタイムの人を問い詰めましたが、強く否んでいたので、証拠のないその事件は結局、犯人を明かすことはできなかった。そのウンチ・・・実は、北朝鮮の軍人が垂らして逃げたという伝説が僕が勤務した部隊に今でも続いているそうだ。

 

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