【韓国文化】韓国のお酒文化の話 「若者のお酒文化」

ここは漢陽大学日本語学科のMT(MEMBERSHIP TRAINNINGー学科やクラブのメンバー同士で親睦を図るためにいく旅行)が開かれているある海辺のペンション、最後の日の夜7時から噂に聞いていた「日本語学科の恐怖のバケツ式」がいよいよ始まりました。

全員輪になって座り、真ん中には学生会長が座っていました。その会長の前には高さ30CM、直径100CMくらいの大きなバケツがあり、学生会のメンバー達はその中にビール、焼酎、マッコリを混ぜ合わせていました。会長の顔にはまるで切腹する侍のような悲壮感さえ感じられました。新入生として参加し、恐ろしさにあわてふためいていた私は独り言に「まさかあれを全部・・」と言っていました。すると、横に座っていた先輩の一言、

「飲む・・・」

大学MTの翌日、朝起きると、そこは戦場でした。
大学MTの翌日、朝起きると、そこは戦場でした。

まずは輪になっている学生達が全員一人ずつ好きなだけ飲みます。2人がバケツを支えていて一人はタオルで口の辺りをカバーして飲ませるその格好とは・・  みなさん、一度想像してみてください。ギャグでもないし、拷問でもないし・・ 好きなだけっていうのは自分じゃなくて先輩が好きなだけって意味でした。一回りしたら残りのお酒は全部会長が飲まなければならない・・ これが漢陽大学日本語学科の伝説の「バケツ式」だったのです。

いよいよ私の番、ビール、焼酎、マッコリを混ぜ合わせている、いわゆるこの「バケツ酒」は匂いだけでもうKOで私の前の新入生はふらふらしたり、吐きに行ったりもう全く何が何だかめちゃくちゃになっていました。
「あの、私お酒よわっ!!」言う暇もなくバケツはすでに私の口へ・・ 匂いだけでも吐きそうなのに「いっぱい残ってるじゃん!お前達ふざけてるのか」と言ってるような先輩の顔・・ㅠㅠ
私の酒量にはるかに過ぎている量でしたがどうにか飲みほしました。一回りしてもまだまだ残っている「バケツ酒」、会長は堂々とみんなの歓喜と拍手の中で一口に見事全部飲んでしまいバケツを頭の上でひっくり返しました。入学が決まったとき、「俺、学生会長になるぞ~!」と決めていた私はその時、すっぱり諦めました。

何もかもがぼやけて見えて、座っている力さえなくなっていたところに・・「じゃあ、これからは自己紹介の時間です」という声がかすかに聞こえてきました。
「じゃあ、次はパクジョンヒョ君」
ようやく立ち上がった私、

「は・・い、私はパクジョ・・ンヒョ・・・で・す・・よ・ろ・・し・・」
「ドン!」
「おい~おい!!ジョンヒョ君、ジョンヒョ君!!」

それで私の初MTは終わってしまいました。 大学、学科によって儀式のようなものがそれぞれありますが、 MEMBERSHIP TRAINNINGとはいえ「お酒TRAINNING」になってしまうのは大体一緒です。 MTの意味が実は韓国語で「M:マシゴ(飲んで)T:トハダ(吐く)」という笑い話もありますから・・w

日本も一緒だと聞いているんですが、韓国も毎年春のMTシーズンになると「大学新入生MTに行って死亡」というとんでもないニュースが繰り返されます。いつもそのニュースを聞くと「馬鹿じゃない?飲みすぎて死ぬなんて・・」と思っていた私はMTに行ってきて「死ぬ可能性、かなり高い」ということを身を持って実感しました。

韓国で大学というのは「学問を教わる前に、韓国はお酒を勧める社会だということをまず教わる所」かもしれません。お酒でも正しい飲み方、礼儀などを教わればいいのに、「お前、地獄のような受験、よくも通ったな。これ飲んで死ね」のように飲ませるから・・情けないんですが、この根強く残る伝統?の大学のお酒文化は本当に問題だと思います!

こういうむごい若者のお酒文化がある反面、韓国だけのお酒飲むゲームでものすごく盛り上がるいい文化も紹介しましょう~

2006年、ここは川南のある飲み屋、サクが主催した「4対4韓日合コン」の場所です。今でもかなり人気の「3・6・9」ゲームをやっているうちに、みんなは始めてあって僅か1時間あまりということが信じられないくらいお互いのことを身近に感じていました。 時計回りで1から一人ずつ数字をいう、3の倍数に当たる人は数字を言う代わりに拍手をしなければならない、 鬼になった人は罰でお酒を飲み、飲めない人は「黒騎士・黒バラ」を叫ぶと誰かが代わりに飲んで願い事をする・・

こんな感じの馬鹿でもついてこれる簡単なゲームです。好みの相手に自分の気持ちを届けられる「 黒騎士・黒バラ」がこの若者お酒文化の醍醐味!わざと鬼になって好きな相手に頼んで鎌をかけてみたり、好きな相手がもう飲めなくて困っているときは自ら「黒騎士」になって願い事でキスしてもらったりもできるんです。
「3・6・9」の他にも「TITANIC」「イメージゲーム」などお酒で夜を明かす元気な韓国の若者のために数多くの多様な名作ゲームが準備されています。

映画「猟奇的な彼女」
映画「猟奇的な彼女」

2回にわたって「韓国のお酒文化」について話してみました。

「お酒を勧める大学に進学し、お酒を勧める社会へ進出・・お酒を勧める国―韓国」みなさんはどう思いましたか?
飲みすぎと思いながらも、楽しそうだと思いましたか?最近、社会的に「お酒は適当に・・自分の酒量に合わせて・・」という意識が少しずつ広がってはいますが、まだまだ日本のようにお酒をたしなむことはどうしても苦手な韓国人です。

癌で祖父も伯父も亡くなったのに学校の校長先生で忙しいからとお酒を飲んで毎晩真っ赤になって帰宅する父親を見ると、毎日が不安で耐えられません。
しかし、戦争の廃墟の中で立ち直った韓国人の力はこの焼酎から出てきたのかなと思う時もあります^^

沢山の若者が楽しむお酒飲むゲームが気になる方は今度韓国にいらしたらぜひ経験してみてください。その時は私を誘ってくださいね~!