エッセー「ある中3少年の遺書」

「お母さん、今までありがとうございました。家庭教師にも指導されましたが、今回の期末テストで一位をとるどころか成績は落ちてしまいました。お母さんのスパルタ式の教育ももう疲れてしまって、勉強にも興味を失いました。申し訳ありません」

生まれて最初で最後になる遺書を書く私の目からは涙が止まりませんでした。お母さんは丈夫でもない体でも私の家庭教師の費用を稼ぐためにアルバイトまでやりながら、私を名門高校に入学させるために奮闘していました。私が中3だった1995年夏のことでした。

近頃の中学生とは違って中3といっても坊主頭で低い背のためいつも前列に立たなければならなかった私はまだガキに過ぎませんでした。でも、勉強への情熱だけは誰よりも強くてクラスではいつも最上位を維持している模範生でした。どんな韓国のオンマ(お母さん)よりも子供の教育に熱心なお母さんは私が中3になるや、家庭教師に勉強させるためにアルバイトを始め、私はすでにソウル大学を目標に必死に勉強していました。しかし・・・

「ソウル大に行くプロジェクト」を始めた私に最大の敵は一番近いところにありました。それは一歳下の弟!私よりも成熟で学校でも問題児で有名だった弟はいわば学校の淫乱物流布総責任者でした。弟の引き出しとベッドの下にそーと手を入れるといつもアダルトビデオテープと雑誌が手に取られました。今までもそのタイトルが忘れられない「乳牛女は浮気中」「going down slow」「動物の王国(?)」などなど、弟のおかげで手軽に新世界に接した私はあれから全く勉強が目に入らなくなりました。目が覚めて目を閉じるまで中3の思春期少年の頭の中は色っぽいものでいっぱいいっぱいでした。

新世界を接した結果は残酷でした。家庭教師からの指導にもかかわらず期末テストでは成績が著しく落ちてしまったのです。

※ソウル大学の正門
※ソウル大学の正門

私のために苦労するお母さんを思い出すと到底成績表を渡す自身がありませんでした。そう、死のう・・・静かに消えてしまおう・・・。まだ幼くてデリケートだった私は死ぬことを決め、楽に死ぬ方法を考えはじめました。その時、頭をよぎったのが扇風機!夏に密閉した部屋で扇風機をつけっぱなしで寝て人が死亡したというニュースを聞いたのを思い出した。

成績表をもらってきたあの夜、私は遺書を書き、静かに身辺を整理しました。窓とドアをしっかり閉め、扇風機はつけっぱなしのままで整然と横たわりました。いざ死のうとしたらあらゆる思いが浮かび、涙がぼろぼろ流れました。親に親孝行もできず、ちゃんと恋愛もできず、AVで観たのを実行さえできずに死ぬと思うと悔しい気にもなりました。

そうこうしているうちに私の意識は薄れていきました。

「ジョンヒョ!早く起きなさい。時間よ!!」

耳慣れた声に気が付きました。また始まったあわただしい朝、幸か不幸か私は無事でした。むしろとてもさっぱりした朝でした。私は素早く遺書をカバンに放り込み学校に向かいました。
何日間隠していましたが、私の成績表は結局ばれてしまい私はお母さんに容赦なく打たれました。

熱帯夜にオリンピックの熱気まで加えられ、眠れない夜が続いています。扇風機をつけっぱなしにして寝返りを打っていたら、ふと新世界に接して成績に悩まされ、危ない反抗をした1995年の夏が思い出されました。

もちろんソウル大学は近所にも行くことはできませんでしたが、その時のお母さんの関心と真心がなかったら今の私もいなかったんだろうと思いました。

2012年眠れない夜、私はちっぽけなエピソードに微笑みながら眠りを誘いました。

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*中学生時代のジョンヒョ~

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