初恋とバラガム

なにげなくガムを買いにコンビニに行った私はそのまま10秒もボーとしていました。
15年も前、思い出の中のそのガムが相変わらず陳列台の隅で私を向いて微笑んでいた。バラの香りがするそのガム、ガムを噛むと、私は学生服の15年前の中学校の教室にタイムスリップしていました。

「1年3組、みなさんにいい便りがある。来年からうちの学校が男女一組になる!」
「キャ~~~~~~~~~~~」
中学1年生が終った終業式の日、先生から聞いたその話は多分今まで私が聞いた便りの中で2番に嬉しい便りでした。(1番は除隊の前夜、部隊長から聞いた「お前、明日除隊するんだな」) 男女共学だった学校が男女一組になるなんて・・小学校の卒業以降、まったく女の子達に混ざる機会のなかった思春期少年の胸はもう張り裂けそうに膨らんでいました。

2学生になり、レンギョウが満開だった3月の春の日、まだ女の子より背も低くて、まったく子供だった私は何だか小学生の時のように自然に女の子に混ざるのが照れくさかったです。
そんなある日・・朝寝坊で遅刻してしまった私、あたふたと教室に入ってくると、友達が「おい!何かあった?遅刻するなんて・・ソジニがとっても心配してたんだよ」と・・ 一度も話したこともなく、ちゃんと目を合わせたことのない彼女に振り向くと、顔にまだにきびの残っていた彼女は恥ずかしげに微笑んでいました。
近頃の中学生とは違い、異性交際の意味さえ知らなかったガキの私は彼女の熱い愛情攻勢にてこずっていました。

 

ジョンヒョと一緒に韓国へ !★

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昼休み、サッカーしてくると、机の上のノートには「ジョンヒョ君、サッカーうまいね。かっこいい」なんかの落書きが・・、朝登校すると引き出しの中にはチョコレートが・・。 ついに、ある日、引き出しの中に手紙があり、読んでみたら 「私の支えになってほしい。苦しい時、電話してもいい?」などのメッセージが書いてありました。 今、思い返してみると、それは「付き合いたい」という表現だったんですが、イノセントな少年は「支えになれる人ならやっぱり、親だろう?毎日会ってるのに電話はなんで?」とすっかり無視してしまいました。友達はみんな「お前、どうしてそんなにつめたいの?ソジンちゃん、可哀想じゃん!」と大騒ぎ・・・私はどうすればいいのか分からないと、恋愛博士のキム君にアドバイスを求めました。すると、彼は「香りのいいガム」でも渡せば?と・・・

その日、私はすぐスーパーにいって悩んで末、バラの香りがする「ローズ」というガムを選びました。キム君のいうとおり、私はガムをポケット深くにいれ、ソジンさんの周りをぎこちなく回り始めました。しかし、友達の目、付き合うとからかわれるのではないかという心配で到底、渡すことができませんでした。ポケットの中のガムを握って、取り出して、またポケットの深くに入れ込んで・・そのように何日も彼女の周りをくるくる回るだけでした。

そんなある日、「今日こそは絶対渡すぞ!」と私は両手をぐっと握り締めました。そして、いいチャンスを狙っている瞬間・・、何日間も悩んでいる内にポケットの中のガムはガムと紙がくっついていて、ボロボロになっていました。彼女にガムとちっぽけな愛の表現を伝えようとしていたのは永遠にだめになってしまったわけでした。
その後、いつからか、昼休みに教室の窓をちらっとみると、いつも30分間も私をみつめていた彼女はもうそこにいませんでした。もうノートの落書きも引き出しの中のチョコレートもありませんでした。

ジョンヒョと一緒に韓国へ !★

15年ぶりにそのガムを買って、すぐ噛んでみました。包装は変わっていましたが、香りだけは15年前とまったく同じでした。
決まっているコースを歩んできたように当時の可愛かった中学生は高校生から大学生になり、今は会社員になっています。30になった今でも(韓国年で・・w)一体恋って何なのか、恋愛って何なのかすぐに答えができない私はまだ子供なのかも・・・と思いました。いつになれば、大人になれるのでしょうね><
生まれて初めて、誰かに愛されて、興味を持たれるというそのときめきを教えてくれたソニンさんは今どこで、どういうふうに暮らしているでしょうね??
また会えるなら、「ごめんね。その時は、あまりにも幼すぎだったよ。」といいながら、バラガムを渡したいです。

*彼女の写真を勝手に載せてもいいか、ちょっと心配ですが、本棚の奥に入れといたアルバムを探してみました。彼女は15年前、そのままの姿で微笑んでいました。

ジョンヒョと一緒に韓国へ !★

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=>写真が見つかりました!「EVE」というガムです。

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